重要文「す」「さす」「しむ」

今回は2回目になります

少しずつ、すすめていってください。

問題文は単語帳のように、繰り返して、見るようにしましょう。

問題文を見たときに、すらすら訳せるようになるまで繰り返しましょう。

ちなみに、古文を訳すときに、まずみんながやらなくていけないことは「単語にわける」という作業です。

例えば、「(源氏の君が)知られ給ふ」という文を訳すときには、

 知ら/れ/給ふ  

と単語にわけます。

次に、それぞれの単語を訳しながら文を作ります。

このときに、「れ給ふ」の「れ」は助動詞の「る」ですから、「受け身」「可能」「自発」「尊敬」のどれかになります

ただし、この「る」は、「尊敬」にはなりません。「れ給ふ」「られ給ふ」の「れ」「られ」は絶対に尊敬にならないんですね(前回のプリントに書きました)

それから主語が「源氏」なので平安時代の作品ですから、「可能」にもなりません。この文は「知られ給はず」のような、否定文ではないので。(こちらも前回のプリントを参照してください)

なので、この「れ」は、「受け身」「自発」のどちらかになりますね。

つまり、この文は二通りの訳が可能、ということになります。


この「れ」が「自発」なら

「知る/自然と~する/なさる」となり、続けて訳すと

「(源氏が何かを)  自然と知りなさる

という意味になります


また、「受け身」なら、「知る/~られる/なさる」となり、続けて訳すと、

「(源氏が、誰かによって)知られなさる」

という意味になります

どちらになるかは、前後の文脈で判断する、ということですね。


ついでにもう一つ。前回の復習として、問題を出しておきましょう。


演習問題 立教大

・・人の御心もいと頼みがたく、「いつまで」とのみ ながめ(A)られ給ふに、四、五日いぶせくて、・・

 

問 傍線部(A)の文法上の意味として最も適当なものを、次記各項の中から一つ選び、番号で答えよ。

1 受身          2 自発         3 尊敬              4 可能          5 存続


 わかりましたか。

 答えは、2です。

 まずは「られ」の終止形は「らる」なので、存続の意味にはならないので5は×。

 また、「られ給ふ」「れ給ふ」の「られ」「れ」は、尊敬にはならないので3は×

 打消し表現をともなっていないので、4の可能性も低い。

 残りは1か2になります。

 「ながむ」は「ぼんやりと物思いに沈む」「思い悩む」という意味の重要語で、

  心情動詞なので

 2「自発」の可能性が高い。

 自発の場合は、「られ」をとっても訳が通れば自発。

 「られ」を取って訳してみると

 あのお方の お心も 頼りにはできなくて、「一体いつまで」と思い悩みなさると・・

 普通に訳せますね。


 正解は2です。

 以上のような手順で、助動詞の訳を考えていくんですね。


 では、引き続き、重要文②「す」「さす」「しむ」にもチャレンジしてみてください

 

重要文② 演習プリント 

https://drive.google.com/file/d/1imyFZ_TLGge2LMdDj7XWRcOlS7HGWzk0/view?usp=sharing


重要文② 演習プリント 解答

https://drive.google.com/file/d/18yyO8NB73QxpBGFjgof4TSJj0Vd5v-de/view?usp=sharing





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