台湾と日本は運命共同体2
今日は、台湾危機について少し補足させてもらいますが、この後は、しばらく、古典の助動詞の勉強に、比重を移そうかと思っています。よろしくお願いします。
台湾危機について2
今日、Yahooニュースで、「台湾が干ばつで、半導体生産に支障が出るおそれがある」というニュースを見たので、この半導体のことについて、少し補足したいと思います
~日本の半導体技術~
私の義兄は、20年以上前になりますが、ある大手電気メーカーに勤めていたのですが、半導体に関係する仕事をしていました。一時は、インドネシアなど、海外に勤務もしていたのですが、 当時は日本は半導体関連が世界的にも優れていた感じ(世界一位)だったのですが、途中で、日本は半導体生産が低迷し(グローバル化が原因と思われる。グローバル化の流れの中で、日本にはさまざまな分野で産業スパイが入りこみ、日本の高い技術が外国に盗まれた。結果、半導体は、人件費の安い国の企業に発注した方がコストが安くすむので、日本に発注する企業が減り、日本の半導体生産は落ち込んだ)、台湾などの生産に頼るようになって、やがて、義兄のいた半導体の部署は縮小され大量リストラされることになりました。
~政府は雇用を守ることの大切さを知るべき~
その後、義兄は、別の企業に転職し、昨年まで飛行機の部品を作る仕事に関わっていたのですが、コロナパンデミックで飛行機が飛ばなくなったため、昨年再び仕事がなくなり、今はマスク工場で勤めています。でも、その企業は、飛行機関連の仕事がなくなっても、その部門の社員をリストラせずに、新しくマスク工場を作ってくれたので、ありがたいんですよね。コロナで仕事がなくなっても、社員を解雇せずに、新しい仕事場を創出してくれる経営者は、私は本当に偉いと思っていています。家族を持ってる人間としては、半導体だとか航空技術とかの花形の部門でなくなったとしても、マスク工場の単純作業のような仕事でも、このような時代には、仕事があるだけで、家族を養うお金を稼ぐことができるだけで、本当にありがたいことなんですよね。今の自民党政権は、財政赤字を千二百兆円に増やしてますが、その背景には「最後は日本の大企業の内部留保のお金を取り上げれば何とかなる」と思っているかもしれませんが、私自身は経営者が雇用をしっかり守るためには、企業の内部留保は必要だと思っているので、そういう企業のお金を狙って、赤字を膨らませる日本の政府って、最後は、アリババのお金を取り上げた中国政府に近づいている感じがして、あまりいい気分ではないんですよね。財政赤字を膨らませることは、結局、若い世代に借金を押し付けることと同じなので。
~ハイパーソニック兵器(極超音速兵器)の脅威~
話を半導体に戻しますが、今、台湾の半導体生産のトップ企業は、TSMCという企業です。この企業の一番の取引相手はアメリカ(アップル社)なのですが、二番目の取引相手は中国(ファーウェイ)なんですね。日本も、TSMCに半導体の生産を多く依存しています。
それで、台湾が中共にのまれた場合、どういうことがおこるか、ということですが、日本に半導体が入ってこなくなり、半導体不足に悩まされる、ということだけではなく、懸念されるのが、中共の「ミサイル性能の向上」なんです。
半導体は、要するに、デジタル機能のために必須なものなので、世界的に需要が急増していますが、ミサイル技術の向上にも役立ちます。
具体的には、中共が、台湾をおさえることで、高度な半導体技術と半導体生産工場を、中国がおさえることになり、中国人民解放軍のハイパーソニック兵器の増産に役立つことになります。そして、この兵器がやっかいなのは、従来の弾道ミサイルと違い、低空飛行のため、レーダーに引っ掛からないので、防御がしにくいという点です。
弾道ミサイルであれば、着弾地点を想定して防御することができるのですが、このハイパーソニック兵器で攻撃されると、日本の技術では、なかなか防御できない、と、言われています。
なので、台湾有事によって、輸送船が安全に台湾近海を通れない状態になれば、日本は電力不足や食料不足に悩まされることになるのですが、その上さらに、台湾の半導体生産を中共におさえられてしまうことで、中国の ミサイル技術やファーウェイなどの通信部門(安全保障部門)の技術向上に、拍車がかかることになることも危惧されるんですね。
~中国の海洋進出に備える~
中国が国際法を守って他国への進出をやめてくれればそれが一番良いのですが、今中国は、国際法を守らず、世界各地に進出し、世界の反感をかいながらも、外国から得た技術を、軍事に転用し、その強硬姿勢をやめようとしません。台湾を、武力を使ってでも、取らなければいけないほど、習近平が焦っている状態です。これは、おそらく、中国の経済状況の悪化などで、国内の不満がたまり、国内をまとめることができなくなって、習近平が追い詰められているのではないかとも考えられます(昨年は、習近平は、何度も暗殺未遂にあっています)
台湾海峡での戦争がおこる前に、中国の国内から、民主化の勢力が出て来て政変がおこってくれるのを、私としては、祈るような気持ちで過ごしているのですが、今のところ、中共の軍備拡張を防ぐ道筋が見えない以上、日本はやはり、憲法改正して、これからの危機の時代に備える必要があるように思います。
幸い、今の岸防衛大臣はしっかりしているように私には見えるし(※)、安倍さんも憲法改正に意欲的なので、何とか早く憲法改正(※)にこぎつけて、私の教え子が何人か自衛隊員なので、憲法改正が少しでも抑止力になって、中共が攻撃を思いとどめてくれるのを祈るような気持ちで、私は、昨年以来過ごしてきました。
※2021年5月当時。その後、深田萌絵氏の影響で、岸さんの国防政策について、一部、賛成できない部分も持ち始めた。
※最近国会で騒がれている「国家緊急事態要項」の加憲問題とは異なる。そちらの憲法改正については、もう少し慎重な議論が必要だと考えます
~台湾海峡だけでは終わらない可能性~
ところで、トランプが最近、バイデンの対ロ政策に苦言を呈していたことが、新唐人TVで報道されていました
この記事でトランプが言う通り、日本にとって、本当に心配なのは、ハラノタイムズでも同じことが言われていましたが、やはり、バイデン政権のアメリカがロシアも同時に敵にまわす事だと思います。
なぜかと言うと、もし米ロ対立が進むと、一番被害を受けるのは日本になるからなんですね。
日本は、北海道にロシアの北方領土、沖縄に米軍があります。つまり、中ロと米軍が戦うとしたら、日本が戦場になる危険性があるので、日本にとっては、中露をすり寄らせる米大統領は、安全保障上、最も好ましくない大統領なんですよね。
その上、面倒なことに、今年、ロシアで反政府反プーチンのデモが起こりましたが、このデモは、香港デモのような民主化勢力として出てきたものとは性質が異なるので、ジョージソロスやNLGの支援を受けたアンティファに近い方向(共産主義に人々を扇動する方向)に向かうものであることも懸念されます。※
プーチンは、今、欧米の制裁に苦しんで、中国寄りにはなっていますが、プーチン自身はもともと親日家で、習近平政権とも相性はよくありません。プーチン政権の間は、日本にとっては、ロシアの脅威はそれほど気にする必要がなかったし、トランプとも仲が悪くはなかったので、日本の安全保障の面から見たときには、トランプとプーチンのコンビは日本にとっては、パワーバランスの面からみて、安全保障上は、都合がよかったんですね。
もし、親日家のプーチン政権が倒され、次にもし万が一、親中派で、昔のソ連の共産主義体制に戻りたがる政権が誕生した場合は、ロシアは、プーチン政権よりも、さらに脅威が増す可能性があります。今、プーチン政権が、バイデンの制裁で追い詰められて、中国側について、日米と戦う方向に動こうとしつつありますが、バイデンにとっては、プーチンを下ろせば済むと思っているかもしれませんが、事態はそう簡単なものではなく、さらに深刻化する可能性もあります。
そうなると、日本は、中国だけでなく、ロシアの脅威とも向かい合わなければいけない、北海道と沖縄の、二方面攻撃に備えなければならない、という、最悪のシナリオも考えなければいけない状況に立たされることになります。
※ アンティファについて (エポックタイムズ)
https://www.epochtimes.jp/2020/06/57721.html
~兵法を学び実践している中国共産党と、兵法を全く知らない戦後の日本人の対決~
数年前、桜井よしこさんが、沖縄の米軍用の土地の多くを、中国資本が買い占めていたことに対して、警告を発していましたが、ここ数年は、中国資本による北海道の土地の買い占めが目立つようになっていました。
日本は、学校教育で、地政学や兵法など、戦争に関わる勉強を扱いませんので、戦後教育で育った私たち大人は、基本的には戦争音痴です。
敗戦時に、アメリカのGHQは、先の戦争の原因を、「全て日本のせい」としました。「日本が武力を捨てれば平和がくる」という平和憲法を作って日本に押し付け、二度とアメリカを攻撃しないようにしたわけです。
でも、たとえば、金正恩のような独裁者が、日本の富を狙って、日本をミサイルで脅すとしたら、「9条」があるから、日本の平和が大事だから、ミサイルを撃つのはやめよう、なんて、思いませんよね?
要するに、「9条」は、「日本からの侵略戦争をさせない」ためにアメリカが作ったものであって、外国からの攻撃による戦争に対しては全く想定されてないんですよね。
今まで、北朝鮮や中国からミサイルが来なかったのは、平和憲法のお陰ではありません。日本にミサイルを撃てば、米軍に仕返しされるので、北朝鮮は、日本を攻撃できなかった、というだけのことです。だから、アメリカの核の傘のお陰で、今まで、日本は他国からの侵略を受けずにこれたわけですね。
ところが、日本の学校教育では、「平和は大切だ」「戦争は悲惨だ」「他国を侵略してはいけない」という、「当たり前」のことを教えるだけで、「どうして先の大戦が防げなかったのか」「日本が開戦しなかったら本当に平和がきていたのか」「どうして、日本は戦争に負けたのか」「どうすれば勝てたのか」など、戦争の本質的な部分を教えないんですよね。戦争について語ること自体、タブーとされた時代が長く続いて、日本人の多くは、戦争については「思考停止」状態になっています。
だから、戦後教育で育った今の大人たちは、基本的に戦争音痴です。外国人による土地の買い占めをみても、なかなか安全保障の問題に結びつけて考える人も少ないでしょう。GHQの影響下、日本の戦後教育は、安全保障についての危機感を持てない日本人をたくさん育ててしまったんですね。
だから、今回の米大統領選についても、日本の大切な同盟国である米大統領選において、そうした、安全保障の観点から考えて発信するジャーナリストがあまりにも少なすぎました。我那覇さんや茂木先生のような保守派のジャーナリスト以外からは、バイデンが台湾問題軽視の考えを持っていることや、対ロ強硬政策を取ろうとしている大統領であったことなどの情報は、なかなか知ることができませんでした。(バイデンの台湾軽視発言をマスコミが取り上げなかった件については、ブログ「儒家と法家5 」のもぎせか動画で紹介した通りです)
~人権軽視の国が戦争に有利にならないためにも、国際社会で力を合わせる必要がある~
それから、マスコミや政治家の親中姿勢を、なぜ保守派が批判するかというと、それは、戦争になったときに、「人権重視の国が不利になりやすい」からです。
人権軽視の国と人権重視の国が、経済的なつながりをもちながら、戦争を起こした場合、どうしても不利になるのは、「人権重視」の国の方なんですね。
どういうことか、というと、たとえば、もし、アメリカと中国が戦争したとして、中国が沖縄の米軍基地にミサイルを撃つとしますよね。その時に、たとえば、基地の近くにすんでいる在日中国人が、戦争に巻き込まれて死んだとしても、中国の独裁者は、「いたくも痒くもない」んですね。人権軽視ですから。人命が軽いんです。
中国のミサイルによって中国人の死者が出ても「悪いのはアメリカだ、日本だ」と報道すれば、中国ではすむ話なんですよね。中国人が死んだとしても、それによって習近平が責められ、政権が交替するようなことにはなりません。習近平は、マスメディアをおさえていますから、政権に都合のよい報道しか国内では流さないからです。
ところが、日本やアメリカの場合は、逆です。もし、中国から攻撃を受けても、中国に簡単には反撃できません。なぜなら、中国にいる邦人やアメリカ人を巻き込むわけにはいかないからです。自国の国民の命が人質に取られると、人権重視の国としては手も足も出せないわけです。
もし、仮に日本が中国の基地に反撃して、基地の近くにいる邦人を巻き込むようなことがおこれば、民主主義の日本では、政府に対する非難がわきおこり、その政権の支持が下がります。
自分が中国共産党員だとして、民主主義の日本を従えたいと思ったら、どうするか、考えてみてください。マスメディアに工作員を入れることを考える人が多いのではないでしょうか。
マスメディアに政権批判させて、反中政権を倒し、中国への攻撃をやめさせるのが、一番簡単ですよね。(アメリカで、コロナの責任を追及するトランプを倒すために、中共が使った手口ですね。)
このように、中国は日本とは違い、共産党幹部は、三國志や兵法などで「どうしたら戦争に勝てるか」ということを、幼い頃から考え、また、たくさん勉強していますから、戦後の平和教育を受けて育った日本人との「教育ベースの違い」については、日本人は知っておく必要があると思うんですね。
~自分に銃口を向けている相手と、対等な友好 関係は成立するか~
このように、戦争の時は、どうしても、人命軽視の独裁国が有利にたちやすい、という、不合理な状況がおこりやすいんですね。兵法を学んでいない日本を倒すのは、習近平にはきっと簡単に見えていることでしょう。
(もちろん、現段階では軍事力、技術力では日米の方が中国よりもかなり進んでいますから、日本が憲法改正し、国防を強化すれば、そう簡単には日本を攻撃できないとは思いますが。)
だから、我那覇さんのような人達が、「左派の親中メディア」と戦うのは、「中国人が嫌い」だからでも、「中国人が憎い」からでもなく、安全保障について何も考えていない戦争音痴なマスコミの親中報道や反日報道が、日本の平和を脅かしている、と、考えているからなんです。
私自身も、中国人は、もちろん、嫌いではありません。中国は、孔子や墨子などの優れた思想家や、三国志の英雄など、歴史的に優れた人達をたくさんうみだした国です。漢字や優れた思想がたくさん中国から日本に入ってきたおかげで、日本は多くの恩恵を受けています。たとえば、陽明学などが明治維新に与えた影響など、日本の発展に与えた影響ははかりしれません。
でも、そうした中国人の優れた面、優れた歴史文化を壊しているのが今の共産党独裁体制だと私は 思うんですよね。
だから、「親中」が悪いのではなく、ただ、順序が「逆」だと思うんです。
要するに、「民主化」が先だと思うんです。
民主化された中国と仲良くする、というのが本当の平和への道筋だと、私は考えています
~中国に言論の自由をいれることが民主化への道~
私の親戚の中国人も、反中共ですが、決して政府批判は公言しません。中国に行った時に、つかまる可能性がありますから。
でも、「言論の自由」があれば、必ず内部改革が進むはずです。中国には賢い人達がたくさんいるはずなので、「言論の自由」を入れてほしいんですよね。「言論の自由」と「複数政党制」。それだけで、中国は変わると思うし、それが進めば、無用な戦争も回避できると私は思っています(もっとも、言論の自由を認めることは、独裁体制とは並存できないので、香港の一国二制度が「習近平の勝利(独裁体制の勝利)」で、終わりを迎えてしまったように、結局は「どちらが勝つか負けるか」の戦いには、なってしまうんですけどね。)
中国の人権軽視を容認し、彼らの人権弾圧、言論弾圧に目をつむったまま、経済的な利益のために中国と付き合うことは、最終的には、多くの日本人や善良な(親日的な)中国人を不要な戦いに巻き込む危険を孕んでいることだと私は思うんですよね。
人権弾圧などの悪に対しては、制裁なども含んだ強い姿勢で臨むべきだと思うし、中国に何か援助をするときには、その条件として、日本に向けているミサイルを外してもらう、などの交渉も必要だと思うし、やはり、毅然とした態度で臨むためには、憲法を改正して国防をしっかり固めないといけないと、私は考えています。
そして、少しでも早く、中国の民主化が実現するよう、日本も国際社会と協力しながら、知恵を絞るべきだと考えますし、私も、これからの日本のあり方について、今後も、考え続けていきたいと思っています。
みんなが生きているうちに、中国と日本の間で、いつか本当の意味での「友好」が成立する日がくることを願ってやみません