つづき② &ディープステートについての補足
㉔全体主義の特徴
全体主義社会の特徴は、秘密警察・強制収容所・言論統制(プロパガンダ)かと思いますが、中国は全て当てはまりますが、アメリカは現段階では強制収容所は無いので、「ビッグテックの言論統制による全体主義が近づきつつある」という見方の方が正しいかもしれません。
㉕右も左も極端にいけば同じ
シュワルツネッガーなど、よく、トランプを「ヒトラー」に例える人がいますが、左派の人にとっては独裁者はヒットラーを思い浮かべる人が多いと思います。
ヒットラーは極右ですからね。
そして、右派の人は、独裁者として思い浮かべるのは「スターリン」「レーニン」「毛沢東」などの共産主義の独裁者かもしれません。こちらは極左ですので。
でも、最終形態としては、右と左は関係なく、極端にいけば、右も左も両方「全体主義」になり、両者は驚くほど類似している、と、(「全体主義の起源」という本を書いた有名な哲学者の)ハンナアーレントが言っています。
要するに「極端」であることが怖い、ということですよね。「自分以外の考えは全て間違い」と考えるような「排他性」ですね。イスラムの原理主義みたいなものです。
㉖ 昭和天皇とヒトラーは同じか
アメリカなどの歴史観では戦前の日本も全体主義で、天皇ファシズムであるという見方が強いです。ただ、私は、この考えには賛同しかねます。
私は、「カリスマによる支配」というのは「独裁」とは言えない、と、考えています
というのは、独裁というのは「権力」が一人に集中することです。これに対してカリスマは「権威」に近いと考えています。「人々の尊崇を得るオーラ」と言ったらいいのでしょうか。
ヒトラーは、黒魔術を研究していた変人なので、若干催眠術師に近いような魔術力があったのかもしれません。人を酔わせるようなそんな力ですね。
それをカリスマ、というのなら、やはり、「宗教的な権威」とか「オカルト的パワー」かもしれません。そういう意味では、トランプもカリスマを持っていたので、シュワルツネッガーなどが、トランプをヒトラーに例えようとするのは、わからなくもありません。
㉖権力と権威は違う
天皇を国民が慕うのは日本人としての代表というか、「和の心」「大和魂」の象徴として見ているからかもしれませんが、こうした天皇やローマ教皇のような「宗教的権威」は、「権力」とはちょっと違います。
日本では天皇は「独裁者」ではありません。天皇とて法律による束縛をたくさん受けていました。憲法に規定された人権を無視するような法律を作る力は天皇にはありませんでした。日本の歴史上、そうした権力を持っていた天皇は数人しかいません。
日本では天皇が命令して国民が戦争に行ったわけではなく、命令するのは総理大臣です。権力者はあくまでも総理大臣であって、天皇には国民に「命令」する(強制力をもつ)ことのできる「権力」はありません。だから、戦前の日本を「天皇ファシズム」というのはちょっと違う気がします。天皇は権力を行使していませんから(ヒトラーのように、戦争に反対した国民を粛清していませんから)。
そして、この「権威」と「権力」を分ける考え方は、右派の学者が「天皇が、その宗教的権威によって国家をまとめようとすること」と、「ナチスドイツのヒトラーが権力で人を支配したこと」とを別のものとしてとらえるために、よく使う理論です。
左派の学者は、権力と権威を同一視することにより、戦時中の日本とナチスドイツを同一視するような議論をすることがありますが、「自分の命はいらないから、国民を助けてほしい」と、敵軍に願い出るような昭和天皇と、ユダヤ人や、自分に反対する人々を平気で虐殺したヒトラーとを「カリスマによる独裁」として同じ括りに入れるのはいかがなものか、と、私は思います。
だからヒトラーは独裁者だけど、天皇は独裁者ではない、というのが、私の考えです。
㉗ヒトラーとトランプは同じか
また、トランプもヒトラーとは違うと思います。確かにヒトラーもトランプも選挙によってえらばれたところまでは同じだし、カリスマがある点では共通します。
ヒトラーは、確かに民衆に選挙で選ばれてナチス党の代表となりましたが、彼が「独裁者」となったのは、「カリスマ」によってではありません。彼が、独裁化をすすめることができた(ユダヤ人を迫害する法律や自分に逆らう人を捕まえるような法律を作る力=人治を行う力を得た)のは、ヒトラーが「法律の抜け穴」を使ったからです。具体的には、当時、ドイツはとても貧しくて、現代で言うところの「緊急事態条項」というのを発動できる状況にありました。当時、ドイツには「ワイマール憲法」という人権を重んじる憲法がありましたので、権力者が、勝手に人権を無視した法律を作るような権限はありませんでした。ところが「例外事項」があったんですね。それは、現代の「コロナパンデミック」ではありませんが、「国民の生命にかかわるような緊急事態」においてのみ、権力者は、議会を経ずに、独断で法律を作る権限が認められていたんです。ヒトラーは、この法律の抜け道を利用して、立法権を行使しまくり、人権を無視した法律を作って、独裁化(人治)を進めていったわけです。
だから、ヒトラーが「選挙で選ばれたこと自体」は仕方がないと思います。人間は全知全能ではありませんから、国民が「独裁者(議会や司法よりも上に立ち、人治を行う権力者)になるような危険人物を見抜けない」ということは起こりえます。ヒトラーは経済的な復興をできる力があったので、そうした部分で、国民の支持を得たわけです。問題は、選挙によってヒトラーが選ばれたことではなく、そのあと、ヒトラーを権力の座から降ろしたくても「政権交代」できないようになってしまったことです。ヒトラーが、政権交代させられないように、緊急事態条項を利用して、自分に都合の良い法律を作り、反対者を粛清し、全体主義社会に突き進むことに成功したのです。
トランプは憲法を無視していませんし、憲法に則って、不正選挙を正そうとしました。言論弾圧をされた側であって、言論統制は全く行っていません。
むしろ、ヒトラーに近い(人治を行う力を持ち、情報統制とプロパガンダにより、他民族や他国に対する敵意を植えつけ、戦争に押し進んでいる)のは習近平だと思います。
㉘ ナチスと同じ轍を踏まないように
最近、日本でもコロナパンデミックに対して国民の基本的人権を制限することのできる「緊急事態条項」を作ろうとする動きが自民党から起こりました。これに対して、野党からは「ナチスの再来」という批判がでましたが、私は、この批判は「正しい」と思っています。恐慌などが起これば、人々は、貧困への恐怖や、病気への恐怖、死への恐怖から、強権的に国をまとめてくれる指導者を求めてしまうような所があります。そういう風潮(ワクチン接種を強引にすすめたり、ロックダウンを強力に推し進めてくれたり、財産を再分配してくれそうな強いリーダーに頼りたくなるような風潮)の中で、権力者が人治を可能にすることがないように(独裁化がすすまないように)、憲法の改正(緊急事態条項)には、注意が必要だと考えています
本当に「おおまか」ではありますが、思いつくまま、以前質問を受けていた、「カリスマ」と「独裁」について、「議事堂襲撃事件について」など、私が答えられる範囲で書いてみました。私の文は稚拙な所も多いかと思いますので、ちゃんと体系立てて学びたい人は、茂木先生の本や渡部昇一さんなど、保守思想(「天皇制支持」の人)を専門に学んでいるような人の本を読むと、権威による秩序と、独裁による支配との違いなど、理解が深まるかと思います。ちなみに「権力」と「権威」の区別については、ハンナ・アーレントの本の中にも出ています。
※なお、アメリカ社会が共産社会に近づいていると感じる事例についてですが、これについても書き始めると、本当にキリがなさそうなので、これについては、またいずれ、機会があったらお話ししたいと思います
★長かったーーーー
最後まで読める人いるのかなあ。
いたら偉すぎ!
★補足
くどくて申し訳ないのですが、ディープステートについて少し補足します(そんなに面白くないと思うので興味のない人は見なくていいです )
前回Qアノンの陰謀論についてブログで触れたのですが、この説明だと、どこまでが陰謀論なのかが、わかりにくいと思うので、少し補足したいと思います。
今年6月、トランプ自ら「私はディープステートと戦っている」とはっきり言っているので、私はディープステートの存在自体は、否定しません。右派メディアが言うように、ディープステートは確かに存在すると考えています。
ディープステートについては、最近、ハラノタイムズさんが、詳しい説明をしているので、興味のある方は、そちらを参考にしてください。
一方で、私がQアノンの主張を「陰謀論」と考えるのは、彼らの主張には、「極論」が混ざっているからです。Qアノンが言う「闇の組織」というのは、主に、小児性愛者組織※を指しています。確かに、ディープステート(金融資本家たちや既得権益者)の中には、小児性愛者やドラッグなど、犯罪組織とつながる人(※エプスタインなど)がいて、かなりの腐敗があることは確かだとは思うのだけど、彼らが一つの大きな組織として繋がっていて、まとまった行動を取っている、というのは、やはり、無理があるように思います。「巨大な小児性愛者組織が、世の中を牛耳っている」と考えるのは、私は、「極論」にいきすぎだと考えていて、それは、ある種の「陰謀論」だと考えています。
※数年前、性犯罪の組織に関わっていたエプスタインという人が、獄中で謎の死をとげたが、なぜか自殺ということで片付けられた事件があった。エプスタインは、クリントンやビル・ゲイツなどと交友があったとされ、エプスタインに絡んで、権力者が性犯罪に絡んでいたことが疑われている。
例えば、ペンスがトランプを裏切った時には、Qアノンは、「ペンスは小児性愛者だった」ということを思わせる情報を流したりしていました。でも、「反トランプの政治家=小児性愛者」という構図は、やはり、あまりにも説得性にかけると思います。反トランプ側の人が全て腐敗していて、闇組織に加担している、と考えるような、二分法的な見方は、私自身は、あまり好きではないので、こうした二分法的な見方を私は「陰謀論」と捉えています。(そういう意味では、統一教会が実は闇の政府として日本の政治を影で操り、統一教会系列の報道機関紙に投稿したことのあるジャーナリストや、信者の友人がいるような政治家を、全て統一教会の手先でCIAの工作員で悪人だと主張するような極端な論調も、れいわ支持者に多いが、私自身はこれも、「陰謀論」だと捉えている。)
Qの信奉者としては、リンウッドが有名です。私は、人間的には、リンウッドは、とても尊敬している人なのですが、Qアノン系の情報は、かなり「極端」なものが混ざっているので、私自身はQアノン系の情報やリンウッドの出す情報は、少し距離をおいて見ています。
ただ、Qアノンの言論には時々鋭い視点が混ざっていることもあり、ディープステートの腐敗に切り込もうとする部分で、評価できる部分もあったと思うので、Qアノンを全面支持はしていないけれど、全否定もしていない、というのが、私の率直な立場です
また、反ワクチンの陰謀論についても、ワクチン推進に製薬会社の利権が関わっていることは事実だと思いますが、ワクチンの接種のことで、国民がお互いを憎しみあったり、国を分断するような状況になることは望ましくないと考えています。
私的な話で申し訳ないのですが、私の子供は、ワクチンはうっていませんが、ワクチン接種している友人や彼氏とは仲良くやっています。ネットの世界では、ワクチン推進派と反対派で分かれて対立していますが、なんだか、そんなことでお互いを憎悪するのは、とても、バカバカしい感じがします。(偏向報道に対する正当な批判は必要だとは思いますが。)ワクチン接種者の友人には副作用が無いことを祈り、ワクチン未接種者の友人には、重症化が起こらないことを祈れば良いだけのことです。
戦うべき相手は人間ではなく、ウイルスです。コロナパンデミックに責任があるのは、ワクチンを打った人でも打っていない人でもなく、危険なウイルス実験をしていながら、杜撰な管理をしていた武漢研究所と、隠蔽を重ねてウイルスを世界中に拡散させる原因を作った中国共産党(武漢研究所の機能獲得実験に予算を使ったアメリカ政府関係者〈オバマやファウチやピーターダザックなど〉も含む※)です。
トランプ政権であろうと、バイデン政権であろうと、欧米とは、人権を大切にするという共通の価値観で協力しあい、中国共産党の軍備拡張に歯止めをかけなければ、日本は守れないと思います。
トランプ支持かバイデン支持か、ワクチン賛成か反対か、自民支持か否か、といった些細な政見の違いでお互いを憎んだり、排斥しあうよりも、日本としては、これからの日本を守る為に何ができるかということを、党を越えて、様々な意見の人達が智慧を出し合い、議論しあいながら、向かうべき道を探していくことが大切だと思います(2021年当時。当時は、バイデンの汚職が事実だったとしても、バイデンは、香港やウイグルの人権問題では、中国共産党と、きちんと戦ってくれるのではないか、と、信じている面もあり、日本はアメリカと共働すべきだと考えていた。しかし、2022年に入り、ウクライナ紛争がはじまり、バイデンの選挙対策として、ネオコンが紛争を長引かせている可能性が見えてくるようになってくるにつれ、日本を守るためには、バイデンの汚職情報がまずは明らかにされる必要があると考えるようになった。つまり、日本は、バイデン政権のアメリカとの付き合い方を、考え直さないと、日本は守れないのではないか、と考えるようになった。)
※2023年になると、機能獲得研究をしていたのは中国共産党だけではなく、ファイザー社などでも行われていたことが暴露された(プロジェクトベリタスの告発によって、Twitterで騒がれた。)
※生物兵器研究は多くの国でずっと行われていたので驚きはしないが、まさかワクチン製造を行う「民間企業」で 機能獲得研究が行われていたとは、グローバリストの世界支配の恐ろしさを 身にしみて感じている(2023年)